ものには耐久性というものが少なからず存在します。建物自体にもそうですが、塗装に関しても同様です。外壁塗装ではその性能や外観はよく注目されるものの、耐久性についてはあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、建物の劣化に大きく影響する外壁塗装の耐久性についてご紹介いたします。
1.耐久性が落ちるとどうなるか
外壁に対して行う塗装ですが、常に雨や風などに晒された状態となるため、何もしていなくても徐々に劣化していってしまいます。最終的に塗装のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうわけですが、それまでの間に耐久性が落ちてしまった場合にどういったことが起きてしまうのか、気になるところではないでしょうか。代表的なものとしては以下の内容が挙げられます。
1-1.チョーキングの発生
外壁を指でなぞったときに、指に塗料がついてしまうことがあります。その現象を『チョーキング』というのですが、外壁塗装が劣化していることを示す一つのサインとなります。剥がれた塗装が粉状となり、それが付着してしまう状態になったら、メンテナンスを早急に検討すべきでしょう。
1-2.塗膜剥がれ
塗装がボロボロとかさぶたのように剥がれてしまう状態のことを指します。塗装の剥がれた箇所では外壁の地の部分がむき出しとなってしまいます。そのままにしてしまうと外壁そのものにダメージを与えることになるため、とても危険な状態といえるでしょう。
1-3.ひび割れ
塗装に対してひびが入ってしまう状態のことです。ひびのスキマから雨水等が侵入し、塗装の劣化スピードを加速させてしまうばかりか、外壁そのものを劣化させてしまう恐れもあります。
2.種類別の耐久性目安
耐久性が落ちる頃合いを見計らって再塗装などをすることで、塗装の効果を長持ちさせることが可能となります。そこでポイントとなるのが塗装の耐久性です。塗装をしてからどの程度もつのかを示す目安を『耐用年数』といいますが、それは塗料の種類ごとに異なります。種類別の耐久性目安は以下のとおりです。
2-1.光触媒系
光触媒系と呼ばれる塗料ですが、耐用年数は約20年となります。塗料の中でも長い部類に入るのでとても素晴らしいものの、作っているメーカーが少ないため実際にその年数もつのかという部分は、他の塗料に比べて確実性に欠ける可能性があります。
2-2.フッ素系
フッ素系塗料に関しても光触媒系と同様に約20年が耐用年数となります。防水性に優れており、耐久面においては抜群の信頼がありますが、価格は若干高めです。近年、一般住宅でも用いられるようになってきています。
2-3.シリコン系
シリコン系塗料に関しては約15年が耐用年数となります。フッ素系に比べると若干耐用年数は劣りますが、それでも十分と言える耐久性ではないでしょうか。コストパフォーマンスに優れているという特徴があるので、幅広い家屋で使用されている塗料です。
2-4.ウレタン系
ウレタン系塗料に関しては約10年が耐用年数となります。木材の外壁でも使用できるという点と、価格が安いというのがメリットとなります。ただし、耐用年数は比較的短い部類となるでしょう。
3.長持ちさせる方法
耐用年数はあくまでも目安ですので、環境などによって前後することがあります。そんな中でもできる限り長持ちさせたいと誰しもが思うことでしょう。外壁塗装を長持ちさせるための方法としては以下があります。
3-1.こまめな掃除
外壁塗装は雨や風などに晒されているため、汚れやすい環境にあります。汚れてしまった塗装部分をこまめに掃除することによって、劣化スピードを加速させずに済むでしょう。
3-2.性能の高い塗料を使う
外壁塗装で使用する塗料には数多くの種類が存在しています。性能が高い塗料は高額になりがちですが、コストパフォーマンスに優れたものもありますので、ご自宅の環境や外壁素材にあった塗料を使用することで、長持ちさせることが可能となるでしょう。
3-3.正しい方法で塗装する
塗装の方法には、3回塗りという基本となる塗装方法が存在しています。3度に分けて塗装することにより外壁に塗料がしっかりと定着し、十分な耐久性を得られるでしょう。もちろんプロの塗装業者は、塗料を最大限活かせる塗装をするはずですが、万が一塗装回数が少なかった場合には注意が必要でしょう。
4.耐久性に関する注意点
外壁塗装の耐久性に関する注意点ですが、耐用年数はあくまでも目安であるという点が挙げられます。約20年の耐用年数であるフッ素系の塗料を使用したからといって、20年もつというわけではありません。もちろん環境次第では20年もつこともありますが、必ずというわけではないということです。塗装がダメージを受けやすい環境であった場合にはそのぶん劣化スピードも早くなるので、実際の外壁塗装の状態で判断するようにしましょう。素人では判断が難しいことも考えられるので、気になったタイミングで一度業者にチェックしてもらうといいでしょう。
5.まとめ
塗装の耐久性を考慮しないと、最終的に建物自体の耐久性を下げることにつながるため、しっかりと耐用年数を意識することが大切です。外壁塗装は定期的なメンテナンスが欠かせませんので、大切な家を守るために常に塗装の効果を発揮できるようにしましょう。