新築から時間が経過した外壁を塗装したいと考える方は多くいます。外壁塗装といえば色の種類を考えがちですが、塗料はカラーだけでなく成分も異なります。外壁に使用する塗料は年々進化していて、耐用年数や防水、防カビ効果などさまざまなメリットも期待できるのです。本記事では外壁塗装に使用する、塗料の種類について詳しく紹介します。
1.外壁塗装は建物本体を守る
家の外壁は外観だけでなく、大変重要な役割を果たしています。とくに、外壁塗装の美観は重要で、家主の美的センスが表れるのです。また、外壁塗装は、美観と同じくらい建物を保護する、重要な役割も果たしているのです。
1-1.塗装次第で建物の寿命が長くなる
建物は1年365日外気に当たり雨に降られ、風に吹かれ、直射日光と紫外線を浴びます。確実に劣化は進んでいるのです。しかし外壁塗装することで外壁に使用した塗料が固まり塗膜となり、紫外線の照射や防水効果を発揮します。防水効果は建物本体への水分の侵入を防ぐことで、建物の寿命を延ばします。
しかし、そのような効果を発揮する外壁塗装も日々劣化していくのです。さらに、塗り替えを怠り長年放置すると、雨漏りの原因になります。そこで、外壁塗装が重要になるのです。塗料は年々進化し、耐用年数や防水効果、防カビなどの効力の進化は著しいものがあります。次章で進化が著しい塗料について詳しく解説します。
2.外壁塗装に使う塗料の種類
年々、地球温暖化は進行し、紫外線の直射も増えています。外壁塗装は厳しい環境にさらされているのです。しかし塗料も進化していて防水効果は高く、耐用年数も延びています。ここでは、そのような塗料の種類や特徴などを解説します。
2-1.外壁塗装に使用する塗料の成分
塗料は主に「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶媒」の4つ成分で構成されています。塗料の色となる成分が顔料です。樹脂は塗料の耐久性などに影響を及ぼし、アクリル樹脂・シリコン樹脂・ウレタン樹脂・フッ素樹脂などが使われています。
「添加剤」は、塗料にさまざまな付加機能をプラスし、塗装の機能性を高める成分です。防水効果は当然ですが、カビを防ぐ防カビ効果、塗料の光沢を微調整可能な艶消し効果、柔軟性や密着力をアップさせる効果などが添加剤で発揮されます。
さらに溶剤は樹脂を溶かしたり、薄めたりする働きもします。現在溶剤として使用されるのは、有機系溶剤と水の2種類です。主流になっている溶剤は有機系溶剤系が、トルエン・キシレン・シンナーなどです。また有機溶剤に代わり、水で溶かすものが「水性塗料」になります。シンナーなどで溶かすものは「油性塗料」です。この4種類の成分が複雑に組み合わさり、さまざまな塗料になるのです。
2-2.アクリル塗料
アクリル塗料は手軽に扱え、多くの種類の製品があります。何といっても塗料のなかで価格が安い製品です。耐久性や防水性能は4年程度で、短期間に塗り替えが必要になるのです。アクリル塗料は外壁の塗装コストを抑えたい場合に、多く使用されます。
2-3.ウレタン塗料
ウレタン塗料は比較的安価で軟らかく、密着性が高く木材から金属まで塗装できて、人気が高い塗料です。家の外壁塗装だけでなく屋根など、どこでも塗れます。また、一般的な耐用年数は7年~10年程度あり、気温や湿度に影響を受けやすい性質もあります。
2-4.シリコン塗料
シリコン塗料は現場でよく使われる塗料です。一般的な耐用年数は10年~13年程度とかなり長く、価格と性能のバランスがよく、コストパフォーマンスの面で主流となっている塗料です。また、シリコン塗料は紫外線に強く、耐候性も備わっています。外壁塗装後の仕上がりも美しくて色の数も多く、人気が高い塗料です。
2-5.フッ素塗料
フッ素塗料は10年~20年と耐久性能が長く、色褪せや艶落ちしにくい特徴があります。簡単に塗り替えができない高層ビルや、マンションにも使用される塗料です。塗膜が硬くなりがちで、ひび割れしやすいため、下塗など入念な準備が必要です。このように耐久性の高い塗料ですが、価格は高くなります。
2-6.ラジカルハイブリッド塗料
ラジカルハイブリッド塗料は比較的新しく、2010年代より使われ始めました。紫外線や酸素、水などの劣化要因に強い特徴があります。チョーキング現象も起こりにくく防汚、防カビ性も優れた新しい塗料です。耐用年数も12年~15年程あり、優れています。
2-7.無機系ハイブリッド塗料
無機系ハイブリッドの最大の特徴は、耐用年数が20年近くある点です。汚れにくく極めて耐久性が優れた塗料です。価格はこれまで紹介したなかでは一番高くなります。なお、各塗料の耐用年数については、建物が立っている立地条件で異なり、あくまで標準的な耐用年数と理解してください。
3.外壁塗装の機能
外壁塗装など、塗料を使って建物を塗装するメリットは数多くあります。建物本体に水分が侵入するのを防いだり、カビや苔の発生を防止したりするメリットです。そのような外壁塗装に使用される塗料には、他にも役立つ機能があります。この章では、外壁塗装の機能について詳しく紹介します。
3-1.外壁の美観を整える
まず、外壁塗装は建物の外壁を美しくみせてくれるのです。塗料にはさまざまなカラーがそろっていて、光沢が生まれる塗料もあります。また、外壁塗装で建物をいっそう目立たせることもでき、周囲の環境と馴染ませることも可能です。このように塗装により美観を整える効果は幅広いのです。
3-2.建物を保護する
外壁塗装をすることで、建物が守られます。外壁塗装でできた塗膜は、紫外線や酸性雨、強烈な直射日光などの外的要因から建物を守り、建物の劣化を防ぎます。劣化を防止することで建物本体の寿命も延びるのです。
3-3.外壁塗装でさまざまな機能が付加される
外壁塗装で塗装する塗料は、防水や防カビだけでなく、耐候性・耐薬品性・耐火性など、特殊な機能を持つ製品もあります。とくに、直射日光が当たる外壁には耐候性や耐熱性のある塗料を使用し、電気を通したくない外壁は絶縁性のある塗料を塗るなど、さまざまな機能を付与できます。
4.まとめ
外壁塗装で使用する塗料について種類・特徴・耐用年数などを紹介しました。塗装の重要な役割である防水機能は大きく進化しています。約20年も耐用年数のある塗料もあり、マイホームの外壁を塗装するときは、塗料を慎重に選ぶことで、美観や耐用年数などさまざまなメリットが得られるのです。
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